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第2回 「似て非なるもの」その2・・・「睡眠」


「似て非なるもの」についての仮説その2です。
「Key Wordの2つ目が、「睡眠」です。
1つ目の「エネルギー」と連動していて切り離せないかもしれません。「エネルギー」のところで少し例をあげましたが、とにかく皆さん起きているのが難しいようです。「覚醒度」が足りないともいえます。
診察中でも寝てしまう事があります。
どこでもなんでも待合室の床でも寝てしまいます。
ナルコレプシーと呼ばれる病態ではなくて、傾眠とか過眠といった状態に近いようです。
お母さんに小さい頃の話を聞くと、だいたい次の2パターンでした。
「夜は早くから寝て、全く手がかかりませんでした。」
「なかなか寝なくて、寝ぐずり,夜泣きもひどくて大変でした。」
そんな人達が大きくなってくると、寝るのは大変になるようです。寝言,歯ぎしり,金縛り,夢中遊行などが多くなってきます。知らないうちにLINEをしていたり、何かを食べたりしている人もいます。夢を見る事が多い人もいます。足がムズムズして気持ちが悪くて寝付けなかったり、何回も夜中に起きたりする人もいます。
とにかく質の良い睡眠とはいえません。朝は苦手でなかなか起きられません。
これらはすべて眠りが浅いからだと思っています。眠りが浅いと日中の覚醒度もあがらず、エネルギーも出ない様になるようです。
イメージとして理解しやすい様に、上のようなモデルで説明しています。
「意識」の状態は睡眠と覚醒の間を振り子のように移動します。振り幅が大きければ覚醒度が高かったり、熟眠度が深くなります。
当たり前ですが、ぱっちり起きていれば、ぐっすり眠れるという事です。
最近私が問題視しているのが、この振り幅が狭い人が増加している事です。覚醒度も低く、熟眠度も浅い人たちです。
覚醒度が低いと、当然エネルギーが低くなります。そのため、いろいろ問題が起きます。
どんな風に理解すればよいか、先の振り子で考えてみたいと思います。
自律神経の状態と関連付 けると問題が見えてきます。
振り幅が大きいと移行期は時間的には短くなります。振り子なので振り幅が大きければ、移行期のあたりは、振り子の勢いはついています。一瞬で通り過ぎるはずです。ですので、健康な人は移行期に気付かないはずです。
問題は、振り幅の小さい人です。移行期にいる時間がかなり長くなります。
起きている時の自律神経のバランスや寝ている時のバランスのどちらでもないので、考えられる自律神経の症状はなんでも起きます。
チェックリストにあげたようなものなどが、よく聞かれます。
起きやすい症状の2トップは、頭痛・肩こり系統と胃腸症状系統です。時点で動悸,息切れ,息苦しさ,立ちくらみ,めまい,体のだるさ,手足の冷え,ふるえ,こわばり,発熱などなどです。
移行期は、覚醒しているとはいいにくい状態です。脳や体がきちんと働いている状態とはいえません。当然、リストにあげていた「その他の体の症状」も、「精神症状」もおきてきます。
どの症状が起きやすいかは、その人その人によって違いますし、その時によっても違うようです。
10年程前には、「精神症状」「自律神経症状」「その他の身体症状」全部がそろう人が多かった印象があります。どういう事なのでしょうか。年々症状が変化するのは、精神科領域ではよくある事です。何か違いがあるとすると、年々「エネルギー」の低下はひどくなっているというのが私の印象なのですが、これも「エネルギー」と関連があるのでしょうか。症状を出すのにもエネルギーが必要なのでしょうか。
最近は、いろいろなタイプの人が来院されます。
大きく分けると4タイプです。
  • 自律神経症状が目立つ人
  • 体のだるさが目立ち、その他の身体症状の多い人
  • 精神症状が目立つ人(うつ症状,強迫症状,対人恐怖,不安症状,幻覚,妄想など)
  • ただ頭が働かない人(考えがまとまらない。記憶力がないなど)
当然、複合して症状を出す人もいます。
どのタイプが改善しやすいという事はないようです。
まずは、しっかり眠ることです。
一番重要なポイントは別のところにあると思っています。それは第3回の講座で説明したいと思います。