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HOME >  ちょっとやぶにらみ講座 >  第1回 心の安定とバリア

第1回 心の安定とバリア


心」というものに形があるわけではないのですが、どのような在り方をしているか考えやすくなればと思い、第1回目の講座を書いてみます。
「心」というものは、どっしりと安定して揺らがないものではありません。かなり、揺れている状態にあります。それでいて「安定した状態」を保っています。揺れている状態で安定しているのです。奇妙に思われるかもしれませんが、「おきあがりこぼし」のような動作をします。
「おきあがりこぼし」はお分かりでしょうか。正月の神社とかで売られている「ダルマさん」を思い浮かべて下さい。あれが「おきあがりこぼし」の一種です。どんなに強く揺れても、また元の状態にもどります。もっとも「おきあがりこぼし」の形そのものを破壊するような強力な力がかかった場合は、破壊されてしまいます。(それはまた別の時に説明する事にします。)
「おきあがりこぼし」は、中に「重し」が入っています。これが安定して揺れていられる理由です。
「重し」が、直立した形に戻ろうとする作用を作り出しています。

は、心の形においての「重し」は何なのかというと、世の中に対する安心感、安全保証感、自分に対する自信などなどプラスのイメージです。
(この中身については、他のサイトで詳しく説明されていると思います。)
これがいつごろから人の心の中にあるかというと、かなり小さい時からです。初めから備わっているのではなく、だいたい1歳半(文献によっては2歳ぐらい)には基本の形を自分のものにしている様です。
安定した「おきあがりこぼし」となれるようになったら、色々な刺激や体験で揺らされながら「良い経験」として蓄積され、また「重し」となっていきます。
心の発達は、かなり乱暴に表現するとこんな感じになります。
一旦、「おきあがりこぼし」となる事ができたら、比較的安定して同じ状態を維持できます。
逆に「おきあがりこぼし」となれなければどうでしょう。理由は色々あるのでしょうが、「重し」が一定以上なければ、元の状態に戻るという作用はおきません。パタンと倒れてそのままになってしまいます。友達との楽しい体験でも負担に感じて倒れてしまうかもしれません。すべての出来事をマイナスにとらえてしまいます。
うまく「おきあがりこぼし」としての形がとれないと、日々の生活が大変になります。
では、この形を身につけるまではどうなっているのでしょう。
最初は、自分では「重し」を作れません。どうなっているかというと、はじめは安心感をまわりから与えられます。もらうというより、安心感や安全保証感に包み込まれているような状態になります。
どんな感じかというと、

こんな感じです。
この安心感の海の中にどっぷりつかっている状態で、しだいに子供の中にも「安心感」がしみこんでいきます。
父親と子供だけだと、あまりこの図式のようにはならない事が多いようです。
新生児期・乳児期には、母親にあたる人の役割が大きいのです。(決して女性蔑視をしようとしているのではありません。)

父親は何をするのが仕事かというと、

全体にバリアをはるような感じに なります。中を安心感でいっぱいにするのは母親の仕事です。もちろん父親が不在の場合は母親がバリアをはります。
正しい在り方は、こんな感じで表現できます。(専門の先生には、いいかげんすぎると怒られてしまうかもしれませんが・・・。)
理想的にはこの形ですが、ほとんどの家庭でこうはなっていません。こうなっている人を見た事がないような気がします。どこかしら足らないようです。足らないところを何とか問題ないように整えて、上手にごまかしています。
皆さん「正しい在り方」を体験した事がないので、正しくなれる事を目指して生活している人はあまり居ません。多くの人が、独自のどこかしら歪んでいるパターンになります。
どの部分に問題があるのか色々なパターンが考えられますが、一番良くある困るパターンを2つ。

パターン1

夫婦間でもバリアがはずれない。
安心感をもらえず成長してしまうので


強固なバリアをはるようになります。

パターン2


母親の支配欲で満たされれている。
安心感はもらえず強烈な支配欲の元で成長。

従順な下僕になる。
この2つは、母親の性質の違いによるものと思われがちですが、父親のバリアの強さとの兼ね合いでも変わってきます。母親の性質が悪いとばかりいえないのです。「人と人」というのは2人の組み合わせで関係が変わってくるものです。
なぜ、この2パターンをあげたのかというと、この2つのパターンで育った子供はこの環境からなかなか抜け出せない事が多いのです。いつまでも同じ状態を続ける事になります。かなり可哀想な事になります。
「おきあがりこぼし」のイメージは、うまく伝わったでしょうか。「おきあがりこぼし」の大きさは、年令と共にもちろん成長していきます。

幼児期・児童期

思春期・青年期

成人期

「重し」は同じような比率で成長していくのだと思われます。
前にも書きましたが、一旦安定してバランスが取れるようになると、何かが無い限りバランスを維持したまま順調に成長していきます。一旦、泳げるようになると、よっぽどの事がなければ泳ぎ方を忘れる事が無いように、バランスをとり続けられると思い長く診療をしてきました。


最近、これに当てはまらない人たちが沢山いるようになってきました。20年程前からポツリポツリと「なんでこの人はこの状態なんだろう」と思う人が見受けられるようになっていました。近頃では大半の人になったように思います。
どんな感じの人達かは、第2回の講座で解説します。